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俺と不良(ヤンキー)
接触


一月

日にちまでは覚えていない
ただ、雪が降っていたことは覚えている






その日はたまたま機嫌が悪かった



本当に、たまたま



初めてコンタクトを試して登校

しかし朝は何もなかったが時間が経つにつれ、目に痛みがでてきて、ホームルームの頃には無視できないほどになっていた
やっと眼鏡から抜け出せる、おれば子供のように喜んでいたが一日でそれが無残にも散り果てた

しかも、友達に「お前の本体どこいったww」っと開口一番にそれを言われて悲しみが怒りに変わる


不思議だな。語調に「w」が含まれてると、何気ない言葉でもいらっとしてしまう
俺の感性がおかしいだけなのか?


しかもそんな日に限って、去年では午前または午後にしか行われない課外が今日から四日間は一日中行われる
去年とは違う点、それは俺達が高校受験を控えた挑戦者であること


入試まであと2ヶ月、最後まであがけとでもいうように教師陣は俺達に武器を握らせる

まあ俺達迷える戦士にとってはありがたいことだ
俺は近くの県内で2、3番目くらいに頭がイイ私立の高校を志望しているから最後まで学を詰め込みたい


しかし、今は別だ



目の痛みで問題に集中できない
外せばいいのだかそれでは後ろの席に座る俺は問題や黒板が読めないし、その上コンタクトになったから、と眼鏡を家に置いてきてしまった
ノートを借りて写すのは面倒くさいし、なんだか気が引ける

結局、俺は一日中痛みに耐えながらなんとか課外を乗り切った



しかしは暗闘はまだ終わらない


俺の家と学校の距離は徒歩で一時間かかる程離れている

いつも自転車で30分だが、今県内では雪が降り始めているため自転車が使えない


俺は痛む目を手で押さえ、なんとか痛みを和らげようとする
一月の冷たい風が耳にあたる
あまりの寒さで刃物のような痛みが耳に走る


目の痛みや寒さで「早く、早く」と足が急かされる
雪が積もっていて足場か悪かった
だから転ばぬよう下を向いて早足で帰りを急いだ



それがいけなかったのかもしれない




人が混んでいる表参道
だから肩が当たってしまうのは仕方がない
これで、相手が人のいい会社員のおっさんだったら「大丈夫大丈夫。それより今日は寒いね〜。君中学生?」と、世間話に突入。
今の俺にとってはおっさんの長い世間話に付き合ってられる程の余裕なんてない
だからここは早急に済ませてほしい


謝ろうとして後ろを振り返り相手の顔を見る。
謝るときは人の目を見て。厳しい爺さまがよく言ってた。


しかし、俺はすぐに後悔することとなった
いや、この場合無視したらもっとヤバいことになるんだが


こんなん(・・・・)ならおっさんの方がまだマシだ
しかし目の前の奴とおっさんがチェンジするなんてこと、起こるはずがない

たった数秒した経っていないはずであるのに、心理的作用が働いてるのか、そいつが俺に目を向けるのがスローモーションのように遅く感じられる
俺は珍しく動揺しているようだ

ああ、どうやらしばらくは解放してくれそうにないみたいだ





神様、気紛れにも程がありますよ
これは試練ですか。



試練なら何で




「テメエ…どこ見て歩いてんだ…」





わざわざヤンキー(悪魔)を俺に遣(よこ)したんですか



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あきゅろす。
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