アリスインワンダーランド 2 一方、チェシャ猫の部屋では… 「…大丈夫かな」 チェシャ猫が誰にともなく、 ぽつりとつぶやいていた。 「アリスは怖がりだから…」 いてもたってもいられない様子で、 (ただし顔は無表情のままだった) ベッドをぽふ、と叩いたりする。 そしてため息をついて、 ベッドサイドの時計を見た。 近眼のチェシャ猫は、 思いっきり顔をしかめ目を細める。 「10時52分…?」 (11時までに アリスが来なければ… 僕が訪ねるしかないね…) それはチェシャ猫にとって アリスに頼られていないようで さびしかった。 [*back][next#] [戻る] |