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アリスインワンダーランド
15

「あ れ………チェシャ…?」

暖炉の近くにある、
ロッキングチェアー。

しなやかで長い脚を、
持て余すように組んで
腰掛けているのは…


「チェシャ…っ」

駆け寄ろうとして、気づく。



身体が、
言うことを聞かない。


「な、に…これ…?」



チェシャ猫は何も聞こえないみたいに、
ただロッキングチェアーを揺らしている。


「ね…ぇ、チェシャ…!
 どうしてっ……何これ…!?」


返事がない
ただのチェシャ猫のようだ。




どこからか、
歌うような声が聞こえた。


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