アリスインワンダーランド
14
アリスはぎょっとしました。
なぜならそのおばあさんの
すべすべした血色の良い頬が、
なみだで濡れていたからです。
「ど、どう なさったんですか…?」
アリスの声に、
女の子の金切り声が重なった。
「ちょっと!まだなのかしら!?
ベイビーも待ちくたびれてるの!
ひっ…く、聞いていますの?
料理するしか能がない役立たずが!
っひ…」
女の子はしゃべりながら、
止まらぬしゃっくりに苛立つ。
「い、今お出しします…、奥様」
「……料理…、奥様…?」
まさか…
チェシャに何度も確認されたリストの中。
料理女、公爵夫人……
「………あ の…」
遠慮がちに女の子に声をかけたとき。
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