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銀木犀
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「あの…
 顔赤いですよ?
 熱大丈夫ですか」

「え、…
 あ、着いたわ!
 このドア開けたら
 ハチ公いるからっ」


「?…は、い」

「楽しんでね、
 初デート」


「はい!
ありがとう
ございました!

でも…

これ、夢ですよね?」



キイィ…
トビラが閉まる。

まあ、こんなもんか。



「お疲れ様」

銀紫はいつの間にか、
足音を立てず猫のように
部屋に入ってきていた。



「おつかれ、さま…」

チョコレート…


「楼犀ちゃん」

後ろを見て、
と銀紫は言う。


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