銀木犀
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「銀紫さん?
真琴ちゃん、
送ってって…」
返事はない。
近づいて、
その理由が分かる。
寝てる。
どうしようかな…
「…」
銀紫さんは美形だ。
陶器のように
ならめらかな肌に
影をおとす、
濡れたように
濃く長いまつ毛。
さらさらの
銀に近い色の黒髪。
こんなにきれいな
寝顔の人の眠りを
妨げていいものか…
「うーん…」
銀紫さんの
真似してみようか。
操縦席に近づく。
「…いっぱいある」
ボタンやハンドル、
レバーがたくさん。
えーっとぉ…
コレ…だっけ?
思い切って、
端っこの緑のボタンを
…ぽち
ぶち!
部屋の電気が消えた。
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