感情と反応

腰骨、くびれた脇腹や臍の窪み、鳩尾、そして膨らんだ胸。しなやかな曲線を次々撫であげると、ルーシィはその都度震えて小さく鳴く。
彼女の身体から滴る水が、ディルの袖を湿らせる。

「ん……あぁ、っ」

「……何で、この姿なんだろうな?」

誰に言うともなく呟き、充血して尖りつつある胸の突端を指の腹で押し潰す。

「ぁあッ!」

そのまま押しこんで圧迫したり、こねくり回して軽く摘んだり扱いたりしてやると、彼女の其処は見る間に紅く硬く卑猥に熟れていく。
彼は跪き、過敏な少女を腕の中に閉じ込め、熱く湿る真っ赤な舌をその小さな突起に絡ませた。

ルーシィの手が、弱い力でディルの服を握りしめる。

「ひ、ぁっ……ああ!だめ……ッ」

「拒むな。恐れるな」

後込みする彼女の腰を引き寄せ、強引に脚を開かせると、その中心部へ顔を埋める。鮮やかに媚びるような色彩のそこは既に彼女自身の粘液でいやらしく濡れそぼり、ひくひくと微弱な収縮を繰り返していた。

「ああ、濡れやすいのか」

バスタブの縁にできた小さな水たまりを一瞥し、ディルは舌の表面で少女の襞を舐り始めた。湿った音が浴室に満ちていく。
ルーシィは生温く執拗な刺激に震え、鳴き、更に熱い蜜を垂らす。

「や、あ……あぁ……っ」

花の香と塩気、むせかえるような少女の味。時折感じとれる淫靡な甘さに翻弄されながら、吸血鬼は人形の紅い花弁を啜り、更に赤い舌をその内奥へと差し入れた。

一際大きな水音が響く。
前のめりになったルーシィは、膣で蠢く軟体動物のような異物感に耐えきれず、金髪を乱して矯声をあげる。

「きゃ、ッあ、ああっ!」

思わずディルの服を握り締め、きつく目を閉じてしまう。
同時に、彼の舌が深く突き刺さり、動きも更に大きくなる。開かせた脚を固定していた手が動き、薔薇色に膨れた小ぶりの陰核を不規則に摘みあげながら愛撫する。

視覚を閉ざしたことにより急激に鋭敏になった触覚で、彼女はそれをまともに受け止めた。

「あぁあッ!ま、待っ……ひぁッ!?」

一度、膣が窄まった。絡みつく、引き千切られそうなほどの圧力にディルは一旦舌を抜く。
直後、極度に狭いそこから、せき止められていた半透明の粘液がとろりと卑猥にこぼれ落ちた。

達したのではない。その証拠に、彼女は発散できない熱を湛えた碧眼で、切なげに彼を見つめている。

苦しそうな呼吸、物欲しそうな表情。
やけに艶っぽい半開きの唇が、何か言いたげに小さく震えた。

「この調子だと、またすぐ水気が足りなくなりそうだな」

剥き出しの紅い核を指の腹で押さえ込み、揺さぶるように擦る。ルーシィは強引に与えられた快楽を従順に飲みこみ、小刻みな痙攣を伴いながら、震える手でディルにしがみついた。湯か汗か判別できない透明な滴が、彼女の顎や髪からしたたり落ちる。

「あ、あ……うぁ……っ」

「……そろそろか?」

少女の呼吸が激しく乱れる。
立ちこめる湯気の中、苦悶と快楽の狭間で歪む彼女の顔を改めて見た途端、ディルは自らの内にある奇妙な感情に気付く。

それは罪悪感のような充足感だった。悲哀にも似た狂おしい慈愛、そして、奇怪で難解な後悔。

訳が分からない。
幸福と悲壮が瞬時にない交ぜになり、ひどく胸が痛い。
それどころか、言いようのない空虚感までもが唐突に溢れ出し、破裂しそうな激情の奔流に、気付けば涙が彼の頬を伝っていた。

「んあ、あぁッ!」

少女の濡れた鳴き声が響く。
不規則な緩急をつけた彼の指に弄ばれ、膨れ上がる恍惚感になす術もなく溺れてしまう、彼女。

粘っこい音と共に流れる蜜は、バスタブの縁からだらしなく床にこぼれ落ちる。
止まらない。過敏な人形は止めどなく淫靡な液体を分泌し、垂れ流し、絶頂に辿り着けないもどかしさに緑色の瞳を潤ませる。

吸血鬼は、熱く充血しきった秘部へ今一度舌を這わす。
一層濃厚になった少女の味を存分に堪能し、キスをするように啜ってやると、彼女は悲鳴のような声をあげて痙攣し、彼の方へ倒れ込んだ。

震える人形が熱い靄の中に見たものは、吸血鬼と名乗る男の、苦痛に歪んだ美しい笑顔だった。




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