絶頂を知る

サリーという存在に、バルトや他の住人たちが入れ込んでいたことは勿論知っている。
知ってはいる、が。

果たして、その魂を宿す人形に、ここまでのリアリティが必要なのだろうか?

理解できない。
できないまま、衝動のまま、ディルは指先に集中する。彼女の中は、濡れてはいるが非常に狭く、左右にひねらなければ奥へ進めない。
そうして進めば、粘液が卑猥な音を立てて溢れ出し、糸を引いてソファに垂れる。

「痛、ッ……抜、て……っ!」

痛みを訴えるルーシィの目から、透明な涙が一筋こぼれた。
あらゆる生き物と同じように。

良心が少々疼いたが、ここで止めるわけにもいかない。
単なる意地や情動もあるが、彼女を無知なままで放置するのは、彼自身、納得しない。

「大丈夫だ。心の方は無理だが、身体の方は、任せろ」

爪に注意しながら、左手で頬を撫でてやる。温かい髪や涙が指に触れると、急速に、彼女が愛おしくなってくる。

「あ、あぁ……ッ!」

紅く熟し、張り詰めた陰核に触れる。
そのまま圧迫したり、指先で挟んだりする度に、ルーシィは抗えず、その身体をしならせた。

粘度を増した蜜が垂れ、ディルの指はさほど苦もなく根元まで入り込む。
されるがままに乱れた少女の耳元で、吸血鬼が低く囁く。

「絶頂なら、俺が保証する」

「え?……っん!」

曲げられた彼の指が内壁と摩擦する。未知の感覚にルーシィは喘ぎ、粘液を滴らせ、頬を撫でるディルの手を握り締めた。
激しい運動をしたわけでもないのに、汗が滲む。息が上がる。身体が熱い。瞳が潤んで視界が揺れる。

彼は一瞬驚いたような表情をし、すぐに親しげな笑顔になって少女の額に口付けた。
迷いのない指先が小さな実を摘み上げる。

「きゃ、あぁんッ!」

耐え難い甘美な痺れが爪先まで走り、脳天へ突き抜ける。悲鳴のような鳴き声が、抑えられない。

粘ついた卑猥な水音を伴い、休みなく続く膣内の抽挿と、不規則に核を弄くる男の指。呼吸が更に乱れ、心拍数が上昇する。

焦点が合わない。耳が利かない。触覚以外の感覚が遠ざかる。熱いのに、身体が震える。

「……いや、だめ……っ」

手袋越しに、男の左手を強く握る。

怖い。何がどうして怖いのかすら分からないのに、怖くて怖くて堪らない。

「大丈夫だ。怖くねえよ」

「ディ、ル……ッ」

大丈夫。その穏やかな声を感じた瞬間、目尻から耳へ涙を流し、ディルの手を力任せに握り締め、ルーシィは甲高い叫び声をあげた。




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あきゅろす。
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