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こねことおおかみ/完結
奴隷なんていやっ!


「わ・・・忘れてた・・・」

馨はうっかりしていた。このところいろいろありすぎて(凛の転校に始まり、不良と関わりをもち、遠足での迷子事件、そして先日の一件、日々の亮平によるちょっかいなどなど)テストのことが頭からすっぽりさっぱり綺麗に消え去っていた。



「・・・・っやべぇ!!」

「・・・・・なにがやばいの馨ちゃん」


「テストだよテースート!!」


馨は特待生である。

美術の。
クラスは一般ではあるが芸術特待生なのである。
他の人が化学や物理を受けている時は別で美術の授業を受けている。





あぁだから時たま授業にいないのかと凛がぼんやり考えている間も馨の苦悩は止まない。


「あぁーやばいぞやば過ぎる。なんの準備もしてねぇっ!!どうしよう・・・特に数学。赤点なんてとってみろ。ただでさえパシリなのがタケちゃんの奴隷へ華麗な転身決定じゃないか・・・」


完全に自分の世界に入った馨がどうやって奴隷性活を快適に過ごすかを真剣に計画を立てている頃には
宗昭と亮平が教室へやってきて凛は宗昭の膝の上でゴロゴロ、亮平は全く気付かない馨を楽しそうに眺め続けていた(超至近距離で)





▽▽▽▽▽




「んにゃぁっ!!」


「んなっ!新しいリアクション」




ふぅーっと耳に息を吹きかけられたことでもどってきた馨。

「んで、どーしたのかおるちゃん」

「いっ息を吹きかけるな息をっ!//」

顔を赤くして耳をごしごし擦る馨


「んーなんかタケちゃんせんせの奴隷になるんだって」


「ちょっ!なにそれ何プレイ!?かおるちゃんそんな趣味があるならオレに言っ「ねぇよ!!」てってなーんだ」

なぜ悔しそうなんだ亮平


「テストだよ期末テスト!」

「「あぁ・・・・」」



全てを理解した不良二人。

「テストか〜めんどいよねー」

「受けねぇとそれはそれで面倒だけどな」



そんなに勉強が苦手なわけでもないが、なにぶんサボり魔である。日頃のつけがここにきて回ってきた。


宗昭の胸でスヤスヤ眠り始めた凛をよそに話は進む。


「かおるちゃんはなにが苦手なの〜?」

「んまー一番は数学?国語とかは得意なんだけどな・・・」

「マジで〜?じゃぁさー数学得意なオレと〜文系得意のかおるちゃんで一緒に勉強しよーょ〜」

「・・・・・」

にこにこな亮平を疑り深い目で見る馨。

「・・・田原、亮平は数学だけは昔っから得意だぞ」

「うそだろっ!?」

「ほんとだよ〜タケちゃんにも褒められるくらいだもーん」

「なっ!この前補習受けてたじゃねぇか!」

「それは〜授業出てない分プリントさせられただけだもーん」

信じられん・・・不良なのに!武下大先生に褒められるなんて!(脳内奴隷中)
だが背に腹は変えられない・・・ここはひとつ。

「よろしく市村」

大人しく手を組もう。

<*わんにゃん#>

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