[携帯モード] [URL送信]

こねことおおかみ/完結
3


「・・・・馨ちゃん」

「・・・おはよ、凛」



宗昭の後ろから顔を出して
頼りなさげにこちらを伺う友人に


馨は
いつものように笑いかけて
いつものようにそう言った




それをじっと見ていた凛は
後ろから出てきて
宗昭の腕をそっと放し
とことここちらへ近づいてきたと思ったら




「馨ちゃんっ・・・」




「おゎっ」




ぽふっ





馨の胸に飛びついてきた




そんなに大きさの変わらない、それでも自分よりも小さな体を馨はとっさに受け止める








凜は不安だった

教室に入るまで不安だった

でも笑いかける馨を見て

そんな不安は消え去ってしまった

優しい優しい初めての友達だから




「馨ちゃん、・・・・探してくれてありがと」


「凛っ・・・」











涙腺が決壊したようにぼろぼろ涙をこぼしたのは馨だった


傷ついたのも凛
泣きたいのも凛だろうと分かってはいたが
それでも止まらなかった



怖かったんだ

傷ついた凛を見るのも
自分に怯える凛を見るのも


凛に嫌われるのも









ごめん、

ありがとう凛












ぎゅーぎゅー抱きしめ合って泣く姿に

宗昭も亮平もどこか安心したような
なんとなく可愛いその姿に癒されるような


子猫がじゃれてるようにしか見えないような。




そんな場違いな気持ちも抱きつつ見守る。





「大丈夫そうだな。まぁとりあえず一安心だが、あまり一人にしないようにしろよ。
あぁ、あと東雲は今自宅謹慎中で処分検討中だ」

「・・・・・わかった」


東雲の名前を聞くだけで宗昭がイラついているのは明らかだった。眉間の皺が深くなっている。

「柚ー気持ちは分かるけど今はスズちゃんのことが一番だからね〜」

「・・・・あぁ」



凛と馨はいつの間にか涙目で微笑み合っている




「んで柚〜?































 


 スズちゃんのお味はいかがだっ「ばきぃっ・・・!!」」




亮平君、自重せず

<*わんにゃん#>

6/34ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!