こねことおおかみ/完結
こわくないょ
「ほら、朝飯食うんだろ」
「ふぁ・・・んー」
まだ目がとろんとしている凛を抱き起こす
俺だって起きたくはない。もともと朝から学校に行くどころか朝飯を食う習慣がついたのはこいつと出会ってからだ。
だがこのままベッドにいては欲に負けて何するか分からないだろ。
凛の手を引いてリビングに行き椅子に座らせる
顔の腫れは大分引いているようだ。
「・・・・・田原たちも心配してたぞ。会いに行ってやらなくていいのか」
「・・・・・馨ちゃん?」
「あぁ。・・・昨日お前がいないと教えてくれたのはあいつだ。武下も亮平もいたから顔見せるだけでも安心するだろう。・・・行けるか?」
「・・・・むーくんがいてくれれば大丈夫」
凛が東雲に襲われたのは昨日。大丈夫と言ってはいるが手が震えているのが分かる。まだ恐怖が体に残っているのだろう。
その手をしっかり握る
「大丈夫、一緒に行こうな」
そう言うとどこか安心したような顔になった。
手の震えも治まったから俺まで安心してしまった。
二人で一緒に教室へ向かう。
凜が両手で宗昭の左腕にしがみついているからいつもより更に歩きにくそうだ。
ドアの前に着くと話し声が聞こえる
「・・・教室入れるか?」
「・・・・・・(コクリ)」
しがみつく力が少し強まった。
「開けるぞ?」
「・・・(コクリ)」
<*わんにゃん#>
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