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こねことおおかみ/完結
2


しばらくずっと撫で続けていた




意識のはっきりしてきた凛を

自分の膝を跨ぐ様に抱えなおし

宗昭は目の前の小さな肩に顔をうずめた


「・・・・」



「・・・・むーくん?」




「・・・ごめん」



聞こえるか聞こえないかくらいでの囁き

初めて聞いた宗昭のか細い声だった


「むーくん?」

どうしてあやまるのか凛にはわからない














「・・・すぐ助けてやれなくて・・ごめん」







そう言って自分にすがり付くように抱きついてくる宗昭を凛は小さな両手でぎゅーっと抱きしめる

「・・・・来てくれたもん」



「・・・・・」





「もう、来てくれないかと思った・・・」



凛の声が急に震えたことに

驚き顔を上げる宗昭




凜は寂しげに俯いていた



「もう・・・む、くんにっ・・・き、らわれちゃっ・・・たってっ ぅ・・・」

堰を切ったようにボロボロ涙をこぼし肩を震わせる姿に胸が痛くなる


拭っても拭っても溢れ止まらない涙を唇で吸い取る宗昭

「嫌いになんてなるわけないだろう」

「だって!」


顔を上げる凛

「だって・・・・むーくんぼくのこと避けてたもん・・・」

「っ!・・・」


はっとする宗昭







凜は気付いていた


前みたいに抱きしめてくれなくなった

一緒にいる時間が減った

笑いかけてくれなくなった

目が会う前にどこかへ行ってしまう



どうして


どうして






ぼくのこと






きらいになったの?


凛の胸はキリキリ悲鳴を上げていた

<*わんにゃん#>

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