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こねことおおかみ/完結
おおかみ牙をむく


▽▽▽▽▽



「はぁ。」







今日もやってしまった。

ここんとこ胸に渦巻いて消えないイライラの捌け口に、無駄に喧嘩を買いむちゃくちゃに暴れてしまった。




宗昭は凛との距離を測りかねていた。


凛を見て理性と欲の葛藤に悩まされては逃げるように街へ出ていた。

凛に会って

愛しさを覚えてから


自分を制御できなくなっていた



「いーかげんにしねぇとな・・・」

とりあえず今日は寮へ戻って凛にうまい飯でも作ってやろう



と、宗昭は寮への道を歩いていた





「柚羅っ!!」


振り向く先には馨。

「はぁはぁ・・・っお、おまえ凛と一緒じゃないのか?」

走ってきた馨が息を整える間もなく聞いてくる。

「・・・いや」


「はぁ・・・っ今日、約束してたんだ。美術室で待ってたんだけど・・・っでも、あいつなかなか来ないから、教室行ったらかばんだけあるし、寮にも探しに行ったけどいないんだ!最近前よりひとりでいることが多いし・・・もしかしたらっ・・・」


「っくそ!!!行くぞ!!」














自分のせいだ。




凛を良からぬ目で見てる男がいることも

自分に恨みをもつ奴が利用しかねないことも






分かってたのに・・・っ!!







どんっ!


「いってーな!お前らどーした、んな急いでよ。若いのはいいが走るなよ」
「あれ〜かおるちゃん、柚と一緒なんてめずらしいね〜」


「っタケちゃん!市村!!りんっ凛見なかった!!?」



「スズちゃん〜?」



「凛がいないんだよ!」

「・・・・そういえばさっきちっこい奴を見たな。あれが涼宮だったかもしれん・・・」

「ちょっ!!それどこ!!タケちゃんいつ!!」

「んぁ〜特別棟の方だったか?でも一人じゃなかったぜ?たしか・・・」








「東雲・・・・」


「おっ!よく分かったな柚羅、そうそう、爽やか王子と一緒だったよ」



「あの野郎・・・っ!!」


「なんだっ!?」

かつてないほどの怒りを露わにし、駆け出した宗昭に驚く武下。

「ありゃ〜ブチ切れだね柚・・・」

「どういうことだ田原」

取り残された馨。

「・・・東雲ってやつ、最近よく凛のとこに現れてたらしいんだ。それも柚羅のいないときに限って。

あいつのことなんてよく知らないけど、多分そういう目で凛のこと見てたのかもしれない!!」


「それは聞き捨てならねぇな。よし、補習は免除だ。お前も救出に向かえ市村」

「言われなくても〜ってほら、行くよかおるちゃん!」

「う、うん」

「早く行かないと柚が先にぼっこぼこにしちゃうょ〜」

「・・・・・」

<*わんにゃん#>

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