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こねことおおかみ/完結
こころの距離


膝の上でうとうとしている凛を見ながら宗昭は考える。


あの日

凛が迷子になった日


ひとりにしないと約束した

ずっと一緒だとも




それからは本当に一緒に過ごしている。凛も以前にまして自分に甘えるようになった。
一緒にいれば大抵くっついているし隙あらばしょっちゅう俺の髪を弄ってくる。
こいつが俺に抱きついて眠るのが好きなのも分かった。




だが






ただそれだけだった。


凛から明確な言葉をもらったことはないし

自分が伝えた記憶もない



ただ一緒にいる






いつも無垢で無邪気に甘える凛


このあどけない寝顔も

可愛くて

大切でしかたないが






少し憎らしかった









甘えてくるのは

寂しいから

親と離れひとりになったときに


たまたま俺がそばにいただけだ




きっと凛のなかで自分は恋人ではないのだろう





東雲を凛に近づけさせたくはないが

果たして自分にそんな権利があるのか

自分のエゴに過ぎないのではないか








恋人でもないのに
















「お前は俺にどうして欲しい・・・」



宗昭はずっと凛の寝顔を眺めながら優しく髪を梳きつづけた

<*わんにゃん#>

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