こねことおおかみ/完結
4
「みゃーこさん、ダメだょ?」
「・・・・・」
「もうしない?」
「・・・・・」
「むっ」
今日は都がだんまりである。
めずらしい光景だなぁと眺めながら宗昭はソファの上で都を抱える凛の横に腰を下ろす。
「・・・・なんかあったのか?」
「むーくん聞いてよ。みゃーこさんったら今日引っかいたんだよ」
「大丈夫か?どこ引っかかれたんだ」
「ぼくじゃないよ。しのくんだよ」
「・・・・・・」
心配そうに凛の腕を撫でて傷を探していた宗昭の動きがぴたっと停止した。
「今日しのくんが触ろうとしたらいきなり引っかいたの。みゃーこさんいつもはそんなことしないのに」
宗昭は動揺していた。今まさに寝耳に水状態(顔には出さない)
凛のいう「しのくん」とはおそらくあの優男東雲のことなのだろう。
だが、ついこの前まで名前はおろか顔さえ覚えていなかったのにいつの間に愛称までつけたんだ
それに今確かに「いつもは」と言ったよな。いつもってどういうことだ
あいつとそんなに頻繁に会っているのかこいつは
俺は見かけてねぇぞ・・・
「・・・・仲いいのか」
「んー?しのくん?
あの人僕がいるとこにひょこひょこ出てくるんだよねぇ。どーして居場所がわかるのかな?
あ・・・もしかしてしのくん・・・
超能力者?」
「・・・・・」
とりあえずこいつに自分から会う意思はないということは分かった。だがそんなに頻繁に現れるということはおそらく俺がいないときを狙っているのは間違いない。
「もーみゃーこさん、めっ」
「にゃん」
やっぱりあの優男きなくせぇな・・・
宗昭の苛立ちは収まらないままだった
<*わんにゃん#>
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