こねことおおかみ/完結
ねこじゃないもん
体育が終わっても戻ってこない凛を探すと、少し林に入ったところでスヤスヤ眠る姿を発見した。
ほんとにどこでも寝る奴だなと思いながら慣れた手つきで起こさないように抱え上げると、すっぽり腕の中に収まると無意識のように擦り寄ってくる大きなこねこ。
とことこ付いてくる都を連れて校舎に戻る宗昭だった。
▽▽▽▽▽
「ふぁ・・・」
大きなあくびをして目をこしこし擦る姿は完全に猫。
凛が起きたときそこは教室だった。
だがそんなことに違和感を抱かない凛。なぜなら自分が眠りこけた所と目覚めた場所が違うことなんてしょっちゅうだからである。
大抵は宗昭の腕の中で気がつくのだが、ソファで寝ても朝ベッドのなかにいるし、教室で寝てても食堂で起こされることもある。もちろんすべて宗昭によるものだが。
「たいく終わったの?」
「体育どころか4限も終わるぞ」
隣の馨に投げかけた質問は、頭上から返された。
「・・・タケちゃんせんせ・・・」
まだとろんとした眼で見上げる凛に呆れ顔の武下。
「お前はよくそんなに寝れるな。なんだあれか、猫でも目指してんのか、ほら、鳴いてみろスズねこ」
「・・・ふみゃぉん」ほにゃり
「なっ//!!こら柚羅!なんだこのねこは!危険すぎる!危険すぎるじゃないかっ!!お前はどういう教育をしているんだ!!てめぇそれでも飼い主か!」
「・・・・」とばっちり宗昭。
寝起きで覚醒しきれていない凛の破壊力抜群の笑顔に当然猫好きの武下はたまらない。
「はぁ。不覚。俺もまだまだだな・・・まさかこんなとこに猫がいたとは」
「残念だったね〜タケちゃん。スズちゃんはもうおおかみさんの飼いネコだもんね〜」
「あぁ、しょうがない。こっちの生意気そうな猫にするか。よし、これを運べ田原」
「まさかのオレっ!!?しかもパシリ!」
「タケちゃんダメーーーっかおるちゃんも飼い猫なの〜!
オレの」
「にゃ〜
ってオレは猫じゃにゃぃ!!・・・・ぁ」←噛んだ
「ちょ、可愛いんですけど馨ちゃん・・・」
「うぅ・・・・」馨恥ずかしさに悶え中
<*わんにゃん#>
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