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こねことおおかみ/完結
だれですか

6月に入り、暖かい日差しを浴びながら凛は校庭のすみにぽつんと腰を下ろしていた。
遠足でくじいた足はなにぶん過保護なおおかみと暮らしているのでだいぶ良くなってきたが、未だひょこひょこ歩く姿に心配した宗昭の「だめだ」の一言で体育を見学させられている。

先日の一件で都の存在はばれるどころか、1−Cの仲間として温かく迎えられてしまった。今では堂々と教室の武下の机の上で惰眠を貪る始末である。


武下は猫好きであった。




(暇だ・・・)
初夏のぽかぽか陽気に凛はお昼寝モード発動


こつん



(・・・・?)

落ちてきた瞼に逆らわず、寝てしまおうとしていた凛の足先に何かが当たる感覚がした。

「・・・ボール」

手に取ったボールは
サッカーボールだった。


「すみませーん」

聞こえる声に顔を上げると、知らない人がこちらに向かって走って来る。


「あ、もしかしてボール当たっちゃった?けっ怪我とかしてない?」

顔に焦りを滲ませて聞いてくるこの人は
どうやらこのボールの持ち主らしい。

「・・・・(コクリ)」

「そっか、良かった〜。見学してるの?どっか悪いの?」

「・・・・・(コクリ)」

「・・・ふ〜ん、あっ!!その猫!」

凛の傍で丸まって寝ている都に男が気付いた

「・・・もしかして、キミの猫?」

「・・・(コクリ)」

話によると、どうやら林のほうを都が一人散歩しているのをよく見かけていたらしい

「そっか〜で、名前はなんていうの?」



「・・・みやこさん」

「ぶっ!」

「・・・?(笑われた・・・)」


「はは、ごめんごめん猫じゃなくてさ、キミの名前」

勘違いをしていたのは自分らしい

「・・・・涼宮凛」

すると男は端整な顔をくずした笑顔で「東雲樹」と名乗り、凛の頭を一撫でして爽やかに戻っていった。

にゃん#>

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