こねことおおかみ/完結
2
俺は今何をした
思わず払ってしまった小さな手に
はっとする。
なんてことだ
自分らしくもない
見えなくても分かる
傍にいる恋人の目からは今
涙が流れている
なのに
すぐ抱きしめることも出来ないとは
あんなこというつもりもなかった
馬鹿らしい
嫉妬深い女みたいなこと
言うつもりなかったんだ
ただ
壮一の言葉と
凛の笑顔が
どうしても頭から離れなくてつい口に出してしまった
まだまだ俺も未熟だな
自分の不甲斐無さに
呆れちまう
・
・
・
宗昭の口から思わず出たため息
次の瞬間、
宗明が抱きしめる前に
背中にとん、という衝撃
腹に回る小さな手が
必死にシャツを握りしめて震えていた
<*わんにゃん#>
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