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こねことおおかみ/完結
6

ソファでくつろぎながら宗昭は本を読んでいた。

その膝の上には向かい合うように凛を抱っこしている。
食後に抱きついてきてからなかなか離れようとしない小さな恋人のスキンシップをただ受け入れ、首に埋まる頭を慰めるように時折撫でる。






凛はその感触がいつまでも止まってほしくなかった。

さっきから自分の中でうごめく

真っ黒でぐしゃぐしゃのもの

それが何なのかも分からなくて

汚いもののように思えて




怖くて

逃げたくて



大好きな体温と安心する匂いにしがみつく。










なんで


なんで






こんなにくっついてるのに


頭を撫でてくれてる手も

抱きしめてくれる腕も



いつもの温かいむーくんなのに



なんで






なんで














こんなに


遠く感じるの・・・・・?





「・・・眠いのか?」


ぱさりと本を置く音
耳元に囁かれる甘い声にすがるようにさらに顔を擦り付ける。







「寝るか・・・」


軽々と抱き上げられ、

咄嗟に声にならない声で「むーくんと一緒に寝る」とだけ伝えた。


「・・・あぁ」














むーくん









未来のむーくんの隣に








僕の居場所はあるの?













「・・・・・・・」


腕の中で眠る凛の頭をそっと撫でる。

穏やかに寝息をたてている顔は、少しでも拘束を緩めると悲しく眉を寄せてしまうため、宗昭は眠る凛をしっかりと抱きしめていた。




寂しさの表れか

ただの甘えか



真意が紡がれることのなかったこの口から

明日は気持ちが聞けるだろうか







白くなるほど強く握りこまれている小さな手は

朝まで宗昭のシャツから離れることはなかった







<*わんにゃん#>

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