こねことおおかみ/完結 幸せな朝から・・・ ・ ・ ・ 「んー・・・寒ぃー」モゾモゾ どべちゃ 「ぶっ・・・いたぃ・・・んぅ〜」モゾモゾ 早朝、ベッドから転がり落りた凛は、目も開けず本能を頼りに手探りで自分の大好きな温もりを探り当てる。 ぐいぐい ぼふ 「ふぃー・・・ むーくんぬくぬく・・・」スヤスヤ・・ そしていつものように宗昭の布団に潜り込んでその身体にぴとりと張り付き、再び気持ちの良い眠りに沈んでいくのだった。 1月1日元旦 前日の大晦日、心身共に、主に隼人による重圧に耐え抜いた宗昭はいつもより深い眠りについていた。 どこか遠くで呼ばれているような声がする気がしながらも、意識はまだ眠りの中にある。 そのふんわりとした思考の中、いつも自分のベッドに潜り込んでくる可愛い恋人の温もりを見つけ抱き込む。 もぞもぞうごめくそれを離さないように、じゃれるようにぎゅうぎゅうに抱きしめると、胸元にクスクスという振動が伝わってくる。 ・・・起き・・・・朝・・ ぼんやり聞こえる声に、 どうやらまだ脳は覚醒しきれてないようだと感じながら、それでも確かに感じれる温もりに擦り寄る。 む・・・くん・・・はよ・の・・ちゅー・・・ クスクスと笑う恋人の要望は、毎朝の習慣。聞こえた声がかすかでも、なにを望んでいるのかは考えなくても分かってしまう。 まだ・・・・起き・・い・・・ 拘束していた自分の腕を解き小さな身体を引き上げると、自分がするより先に鼻に噛み付かれてしまった。 してやったとばかりにキャッキャとはしゃぐ体を押さえ込み、そのやんちゃな口を唇で探りあてキスを____ ガチャ 「起きろってさっきから言ってん・・・だ・・・・・・・」 「・・・・・・・・・」 父、ショックで脳内停止中。 宗昭、衝撃で覚醒、脳内フル活動中。 (え、なんだこれなんだこれやばいんじゃねぇのこれマジでここ凛の実家でしかも布団の中で俺はこいつに覆いかぶさってるしつーかさっきから呼んでたのって凛じゃなくてそっちかよ!やべぇ寝ぼけてた・・・) 1秒か1時間か ドアノブを握ったまま立ち尽くした隼人と、久々に背筋が凍るというものを味わっていた宗昭がショックから戻って来たのは、キス待ちに痺れを切らした凛が「むーくんちゅうしてってば」と駄々を捏ねたからだったという。 元旦の朝。 近所に隼人の怒鳴り声が響いた。 <*わんにゃん#> [戻る] |