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こねことおおかみ/完結
うれしい
「荷物を置いてらっしゃい」と母に言われた凛は、荷物を二つ担いだ宗昭の手を引いて自分の部屋へ案内した。

2階にある凛の部屋は、しばらく部屋の主人がいなかったとは思わせない程、暖かい雰囲気を残していた。

全体はやわらかなクリーム色が基調で、猫のおうちや遊び道具がいっぱい置いてある。凛と都の部屋という方が正しいかもしれない。


「えへへー座って座って」

「さんきゅ」

凛の持ってきた猫のクッションに宗昭が腰を下ろすと、待ってましたとばかりに、すぐさま凛が宗昭の膝の上に飛び乗り抱きついて来た。

その軽い衝撃を受け止め、宗昭は凜を抱きしめる。







しばらくの間うにうにと顔をうずめていた凛が、もそもそと顔を出す。
宗昭が凛の乱れた髪を絡まないように撫で付けてやると、気持ちよさそうに眼を細めた。








宗昭のいつもの体温を感じながら、凛は緩む頬を止められなかった。



自分の育った家に大好きな人がいる



それがうれしくてうれしくて

ちょっとくすぐったい

でもやっぱり嬉しい




「・・・・・どうした?」


腕の中でにこにこと微笑む凛の額に唇を落とし、宗昭も優しく笑う

顔中に落とされるキス

「ん・・・あのね、むーくんが・・・むーくんが僕の部屋にいるのが嬉しいなぁって」

そう言って凛は宗昭の首に腕を回し、
宗昭は誘われるようにその唇に優しくキスをする。

「んっ・・・ふぁ、ん」
「俺も嬉しい」
「ぁ・・・もっとちゅぅ、むーくん・・・」
「あぁ・・・」

凛の頭裏に宗昭の大きな手が回されぐいっと寄せられる。今度のおねだりは聞いてもらえるようだ。


「むくん・・・大好きぃー・・・」

キスの合間にそんなことを言う恋人に宗昭も煽られる。

「凛・・・




  俺も好「凛ちゃーーーーーん!おしるこ出来たから戻ってらっしゃい!」


   ・・・・・・・・」









「・・・・・・・・うゎん!」







母さんのけーわぃー!と、
結局おねだりのちゅうを中断されてしまって不満気な凛を、宗昭はぐいっと立ち上がらせてから最後にその可愛くとんがった唇にキスを落とした。













「俺も好きだ」












リビングに下りてきた凛はすっかり上機嫌に戻っていた。

<*わんにゃん#>

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