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こねことおおかみ/完結
宗昭の運命
________

凛ちゃんへ


 この前は可愛い写メをありがとね。
凛ちゃんったら都さんのパジャマもとっても似合ったけれど、サンタさんも似合うのね!

 今年は風邪は引いてない?日本は寒そうだから心配だけれど、まぁきっと宗昭くんがいるから大丈夫ね。
 
 そうそうパパったら・・・




中略





 ところで凛ちゃん!本題なんだけれど、お正月にパパの休みが取れたから日本に帰れるわ。
夏に会えなかったからって、パパが寂しがってね。正月休みを調整するからパパの機嫌をどうにかして下さいって、秘書さんに懇願されちゃったくらいなんだから。
 今はお正月に凛ちゃんに会えるって分かって、お仕事も調子いいみたいよ。ママなんだか妬けちゃうわ。

 それでね、せっかくだからそのときに、宗昭くんも一緒に帰って来たらどうかしら?
 ママ、凛ちゃんの素敵な恋人を紹介して欲しいわ。
 宗昭くんにも御家の事情があるでしょうから、無理に連れて来たりしちゃダメよ!


 それじゃあお正月におうちで会いましょうね。


 ママより

_________



「・・・・・・〜だって!

 ね、ね、むーくんっお正月、一緒におうち・・・・ダメ?」キラキラうるうる


「あー・・・うん」

可愛い恋人のお願い攻撃には相変わらず一撃の宗昭だが、いかんせん自分もしばらく帰省していない身である。
夏休みは、不安定であった凛を寮に一人にできず自分も寮で過ごした。
不良不良と言われている宗昭であるが、見た目が見た目な為に異様に絡まれることが多く、実家が実家な為に腕っ節がやたら強かった為、本人の意思とは関係なく最強の不良として名をはせることになってしまっただけである。
宗昭としてはぐれているつもりもなく、両親ともそれなりに仲はいいので、正月くらいは実家に顔を出すかなと思っていた。


恋人の可愛い願いに応えたいのはやまやまだが・・・

うにうにと膝に頭を擦り付けてお願いしてくる凛を撫でつつ
宗昭がどうするか悩んでいたそのとき

ひらりと

凛が読み上げた分厚い手紙から、折りたたまれた一枚の紙が眠る都の上にポトリと落ちた。

「・・・凛。なんか落ちたぞ」

「ふぇ?」

摘み上げたそれは、凛が読み上げた母からのファンシーな手紙とは違い味気ない真っ白な紙であった。
不思議に思いつつ、それを凛に見せる。


「あっ!最後に母さんがなんか書いてる・・・・


 えと、パパが宗昭くんに渡して欲しいって言ってる手紙を同封するわね。

 だって!むーくん」


「・・・・・・」





宗昭はその瞬間に自分が選ばなければならない道が決まった予感がした。




そしてその予想通り、その紙切れに書かれていた凛の父親からの手紙で、宗昭は凛の家への招待を受けることになったのである。



 『 来るよな 』




という

招待というよりは強制連行に近い一言だけ書かれた通告によって。





 


<*わんにゃん#>

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