こねことおおかみ/完結
2
そして13日。明日を宗昭の誕生日に控えた前夜、凛は馨の部屋のキッチンを借りてケーキを焼いていた。
「今日作っちまうのか?」
「うん、だって明日も平日で時間ないんだもんー」
恋人の誕生日ケーキともなれば凛の手つきもどこか丁寧である。
「柚羅って甘いもん食えるんだな」
「そうだよ〜むーくんはコーヒーはブラックだけど、一緒にちょっと甘いもの食べたりするの結構好きなんだよ」
そっと型に生地を流し込み、とんとん空気抜きをしてオーブンに入れる様子を馨はそばで眺める。
「凛、ちゃんと柚羅に秘密に出来てるのか?オレ最近すっげー怪しむような目で見られるんだけど」
「え〜?出来てるよー!ちゃんと内緒だよって言ってるもん」
出来てねえよ
「・・・・そう、まぁ明日だからいいさ。もう何も言わん。それより、オレはまさかあの柚羅へのケーキがハート型だとは思わなかった」
そう、先ほどから眺めていたケーキの焼き型はとってもプリティーなハート型であった。
「えへへ〜愛がたっぷりって感じでしょ〜」
「そうだな・・・・」
あぁ、もうホント助けて市村!!
あまりの糖度についに亮平に助けを求めてしまった馨である。
馨、きっと亮平なら喜んで助けてくれるよ
<*わんにゃん#>
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