こねことおおかみ/完結
こねこの企み
宗昭は最近腑に落ちないことがあった。
凛の様子がおかしいのだ。普通に甘えてくるのはいつもと変わりないのだが、授業中も居眠りすることなくうんうんと考えていることが多くなった。そして放課後はこそこそと馨の部屋に行ってはにやにやして戻ってくる。怪しい。
宗昭が「どうかしたか」と聞いても「内緒だよー」とあからさまに怪しい発言しか返ってこない。
秘密にしたいのか。誤魔化せているつもりなのだろうか。
宗昭は悩んでいた。
▽▽▽▽▽
馨は困っていた。
原因は親友であり天然猫であり天才でもある凛である。
先日「むーくんとエッチする」と爆弾を落として以来、どう誘うときゅんとくるかな?やら、ケーキの先がいいかな、後が良いかな?やらとなんだかもう勝手にしてくれっ!!と馨が叫びたくなるような痒い相談をしてくるのである。
だが、凛をこのように暴走させるきっかけというか変なスイッチを入れてしまったというか。
その原因が自分であるという自覚がある手前、このむず痒い話を聞かないわけにもいかない。
「ね、馨ちゃん聞いてる?プレゼントっぽく思うかな?」
「リボンでも巻いとけばいいんじゃないか」
「そっかー!そうだね〜」
げ、なげやりに言ったのに普通に採用されてしまった・・・
どうしよう、凛ならやりかねないぞ。
ついでに生クリーム塗りたくって「ぼくがケーキだよ」って言え!と、言わなかった自分を褒めてやりたい。
こいつはテンション上がりすぎてなんでもしそう。そんなことしたら、柚羅が死んじゃう。
柚羅、許せ。
なんだが逆に申し訳なくなってきた馨は、凛が暴走しないようやんわりと方向性を正す助言をするのだった。
「凛、ケーキとは別にしろよ」
<*わんにゃん#>
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