こねことおおかみ/完結
食べられたい?
「まぁいい。そこは猫用だからな。何も問題ない。
あぁ、誕生日で思い出したけどそういやもうすぐアイツ誕生日じゃなかったか?」
「あいつって?」
がさがさ書類を漁る武下に馨が問いかける。凛はお許しをもらったのでまだ出窓。
「あぁ、ほら柚羅。10月14日・・・あいつあれでまだ本当に15だったのか・・・人間の成長って恐ぇーな。涼宮みたいに猫だったら15歳も可愛いのに・・・」
「むっ!むーくん!むーくん誕生日!?ほんと?」
恋人の誕生日と聞いて出窓から飛んで来た凛。自分が完全に猫扱いなのは気にしないらしい。
「あぁ、ほら」
「いや、タケちゃんそれ個人情報・・・」
「ほわわーあと10日後だー!・・・・むーくんっ!おめでとー」
はやいはやい。
キラキラと喜んでいたと思えばうんうんと何かを真剣に考え始めた凛。
「・・・・凛、誕生日の計画か?」
別にお前からだったらなんでも喜ぶと思うけど・・・と馨が伝える前に凛の顔は決意に固まったものになっていた。
「うんっ!馨ちゃん、ぼく決めたよ!(キラキラ)」
「おう、なにやるんだ」
「むーくんとエッチする!」
「ぶふぉっ!」
凛のとんでもない発言に武下、コーヒーを噴き出す。
「あータケちゃん汚い・・・って凛、マジで言ってんのか!?」
「えぇ?うん、だってーせっかくならサプライズでお祝いしたいもん」
そりゃぁ柚羅にしちゃぁとんでもなくサプライズになるだろうけど・・・
「えへへーみゃーこさん、ぼくはむーくんに食べられますよー」
照れちゃいますねーって全然照れてないだろっ!見ろ!あのタケちゃんですら開いた口が塞がらない状態だぞ。せめてコーヒー拭いてください先生。
まぁなんだ。オレがけしかけた気がしないでもないが(間違いなくそれ)
よかったな柚羅。この上ない誕生日になることをオレが誓う。
「はぁ。なんだか娘の初体験を報告された心境だ・・・」
なんとも言えない気分になってしまった武下であった。
<*わんにゃん#>
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