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こねことおおかみ/完結
4
凛と馨が体育館隅でじゃれている間に宗昭たちの試合は終わった。

「かおるちゃ〜ん、見てた!?オレが3ポイント決めたの〜」

がばちょっ

「抱きつくなっ!あー見てた見てた!凄かったなー」←見てない

「むーくん、スダダダーン!シューってとこがかっこよかったよ」

「(どこだ・・・)そうか、寒くなかったか」ナデナデ

「うんっあのねーこれむーくんの匂いがするからもっとぽかぽかするんだよー」クンクン

有り余ってぷらぷらさせていた両袖をくんくん嗅ぐ凛に頭を撫でる宗昭の手も止まる。

隣で自分を撫で繰り回す亮平の手の甲を抓り上げながら馨も黙って状況を見つめる。彼は今心から宗昭を尊敬し、そして残念な奴だなと思っていた。

凛がさっき言った事どうか覚えていますように。




「・・・かおるちゃんオレのシュート見てなかったでしょ〜」

「えっ」(なんで分かったんだ)

「スズちゃんとにゃんころじゃれあってさ〜なんの話してたのさ〜」

ぶーぶーといじけるように眉を寄せる亮平にちょっとだけ申し訳なく思った馨。ほんとにちょっとだけ。


「いや、ほかのシュートは見てたってば。凛とはほら・・・寒くなってきたな〜って。凛のくしゃみが可愛いんだよ、なんつーか「ぷちゅんっ」・・・ほらな可愛いだろ」

その音に再び凛に目を向けると
やっぱり寒かったのかまたくしゃみをしだした凛を心配した宗昭が抱き込んで背中を擦り温めようとしていた。凛も幸せそうにその腕にもぐりこんでいて








馨と亮平は素晴らしく迅速にその場を後にした。




「甘い。甘すぎる」

耐えられん。おぇーっ。柚羅も柚羅だ。ぷちゅんに悶えたんだろどうせ・・・と脳内では喧嘩でも売ってるかのように宗昭に対して失礼な馨である。




「そだね〜。オレとかおるちゃんは柚たちみたいにあんな甘〜くしないもんねー










 人前では」ボソッ


「っ・・・//!!だから耳元でしゃべるなっつってんだろっ!」べしべしっ

「ははーっかおるちゃんの照れ隠し〜」

「ちげぇっ!」

つーか人前じゃなくてもしねぇっ!ばかばーかと顔を真っ赤にして逃げる馨を今日も追いかける亮平



彼の脳内はもっぱら、毎日どうやって馨を自分の部屋に連れ込むかの作戦でいっぱいである。

狙った獲物は逃さない男。逃げられれば逃げられるだけ燃えるのだが、知らない馨は今日も頑張って走るのだった。

<*わんにゃん#>

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