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こねことおおかみ/完結
体育館の隅にゃんこ
なんとかHRギリギリに登校した2人。

「おはよ凛」

「ふぁーぃ、おはよー馨ちゃん」

大きなあくびで涙目の凛。

「寝不足か?」

「んー・・・寒くてね、起きちゃうの・・・」うとうと

隣の窓際の席で膝をかかえて丸まる凛を馨は心配気に眺める。

「いっぱい着て寝れば大丈夫だろ?」

「ううん、むーくんが一番あったかいんだよー」

えへへーとさらっと惚気られてしまった馨は一瞬で心配したことを後悔した。

「HRするぞ。 おい、涼宮起きろ。HR前に寝るな」

「ふーん・・・」スヤスヤ

「・・・・涼ネコちゃーん」

「ふみゃーん・・・」スヤスヤ

「よし、いくらでも寝ろ」

「いやタケちゃん意味分かんねぇから。そんな満足げな顔されても」












「ぷちゅんっ」

「なっ、凛それはくしゃみなのか。可愛すぎるぞ」


今日の体育はバスケ。屋内といえど体育館は広いのでけっこう寒い。
今は授業後半になって軽く試合中である。
最初は全員バスケットボールを持ってドリブルやシュートなどした。
ちびっこ凛は自分の顔よりはるかに大きいボールを両手で掴み必死にドリブルをしていたのだが、子供のたまつきにしか見えず、シュートも頑張って投げるのだが運動音痴が遺憾なく発揮されかすりもしなかった。(一回は後ろに飛んでいった)

もちろんなんでもこなせる運動神経抜群の宗昭と亮平はかろやかにシュートを決めていた。
今は試合に参加中である。

「はぁ、めんどくせぇ試合なんかするかよ」と言っていた二人なのだが、
「わぁーむーくんかっこぃー!(キラキラ)凄いね、シュって入るねっ!かっこいいっ!」
「へー市村バスケもできるんだな、あんなドリブル速くできるもんなのか?やるじゃん」

から
「むーくんっ!試合出るんでしょ?凄いね!頑張ってねっ!」
「俺お前の3ポイントシュート見てみたい」


と恋人たちに言われてしまえばまぁ当然参加するわけで。

今も絶賛活躍中である。

「おぉー柚羅足速いな」
「ねー、でもいっちゃんのパス速くてぼく見えない。なんであんなおっきなボール片手でつかめるの?どうして?」

そんなことを言いながら自分の顔に手のひらをかぶせて掴もうとしている凛を馨はほのぼのと見つめていた。


そんなときのくしゃみであった。
試合に出ず隅で観戦しているのはなかなか冷える。

「ぷちゅんっ」

「そんな格好してるからだぞ。ジャージは首からかけるんじゃなくてちゃんと着ろ」

「はーい」モゾモゾ

馨に言われ、首の前で結んでいたジャージの腕を解き、着替える凛。


「・・・・・んなっ!!」

「んー?」

突然大声を上げた馨に腕を一本だけつっこんだ状態で「なぁに?」と首をかしげる凛。


馨は見てしまった。着替える凛の首元に咲く赤い痕を。

(というか現在進行形で見えている)

「はっはやく着ろっ!着るんだ!!」がばっ

「おわーぁ」ずぼんっ

凛のジャージをつかみ思いっきり頭からかぶせる馨。


こっこいつはっ!恥じらいというものがないのか!というかそもそも・・・え、やっぱりもう柚羅とヤっちゃってるのか・・・?凛が・・・なんとなく想像つかない。
いやっ!想像なんてしてないっ!
まぁ付き合ってだいぶ経つし・・・ちょっと気になる・・・聞いていいかな・・・


ちょっとどころかかなり気になっている。
実は馨、自分が亮平と付き合っていることはまだ報告していない。


「ほぇー。あったかいね、馨ちゃん」←ちなみに宗昭のジャージ

<*わんにゃん#>

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あきゅろす。
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