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こねことおおかみ/完結
こねこの朝
「んん〜・・・寒ぃ・・・・」


凛と馨のメイド効果で大成功を収めた文化祭、学校の雰囲気もお祭りモードがやっと落ち着いてきて通常の学校生活が戻ろうとしていた。

まぁ、文化祭中に盛り上がってがっつりしけこんだ馨にとっては、もう今までの平穏は二度と訪れることはないのだが。

それは置いといて。





もぞもぞ


「ふあぁ・・・・ん」


気付けばもう10月に入るところ。季節は完全に秋である。急に冷え込んできた朝方に、寒さに弱くて体温変化がついてきていない凛は


「むーくんぬくぬく・・・・・」


スースー



宗昭のベッドにもぐりこんで暖を取っていた。






2015号室の夜の過ごし方は大体一緒である。
リビングでくつろぐ宗昭に凛がべったりくっついたり、足元をごろごろしたり、乗っかってたり、だっこしてもらっていたり、まぁとにかくいちゃこらにゃんにゃんしている。
宗昭に頭を撫でられてるうちにスピスピと眠ってしまう凛を毎日宗昭が凛の部屋に運んでいるのだ。





一人ぼっちの部屋で寒くて眼が覚める凛は、半分眠りこけながら毎朝早い時間にわざわざ自分の部屋から向かいの部屋にそっと入り、みのむしのようにもぞもぞとふとんにもぐり込んでは宗昭にぴっとりくっついてぬくぬくと二度寝に入るのである。




「・・・・・・・」


宗昭は毎朝起きていた。
ぎゅーとくっついてくる子供体温に心地よく目覚めさせられるのである。



その可愛い行動に目を細めながらも宗昭の心境は複雑だった。
本人としては毎晩自分の腕の中で眠る凛を、自分の部屋にそのまま持ち込んでしまいたいと思っているのだが、この可愛くてしょうがない恋人を横に大人しく眠れる自信もない。



この純真無垢な存在を、傷を抱えた小さな躰を自分の欲で汚したくない。




自分を信じてこうやって寄り添ってくるこねこを、怯えさせずに愛する術を知りたい






宗昭を悩ませているこの存在。

耐えることに辛く思うことはあるが、遠慮がちに忍び込んでくる姿は可愛く微笑ましい。



小さな恋人を愛しく温めるように抱きしめて今日も起きるまでの幸せなひと時を味わう宗昭なのだった。

にゃん#>

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あきゅろす。
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