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こねことおおかみ/完結
怒ってるよ

「メイドさ〜ん!」

なんとなく凛を見ていたが他の席の客に呼ばれてしまった。多分先輩だろう、にやにやの態度にいらっとするが、普通に(ツンデレに)対応する馨。

「・・・なに?さっさと頼みなさいよっ!」

「ね〜メイドさん可愛いね〜っ!ここ一緒座りなよ〜」

「ちょっ(触んじゃねぇっ) 忙しいんだからっ!引っ張らないでよ!」

ぐいぐいっ

「いいじゃね〜かよちょっとくらい!ほら来いって」

「(ギャーっ!尻触んなっ!)もぅ!暇じゃないんだから・・・っ!」

もし客を怒らせて騒がれてはみんなに迷惑がかかる、と強く出れない馨。そのまま男達の間に座らせられてしまう。




「へぇ〜・・・マジで可愛いね、名前なんての?つーかこの制服の下どーなってんの〜?」

さわさわ



「(ひぃっ!腿っ!)ちょっ・・・いい加減にし「お客さ〜ん、ここ、お触り禁止なんですよね〜」うわぁっ・・・」


際どいところを触られもう限界!と馨が切れかけたら、
ぐいっと腕を引かれ男達の間から抜けてそのまま目の前の身体にダイブ。
その行動に男達が騒ぐ


「あぁっ!?邪魔してんじゃねぇよてめぇ・・・っ!!




 てお前っ!!・・・い、市村亮平・・・っ!!」


強気に出ていた男達の勢いが一瞬で消え青ざめる。
まさかあの最強不良である柚羅や市村が真面目に働いてるとは思わなかったのだ。






「へぇ〜なに?文句でもおありですか・・・?」ニコリ





ございません。ございませんのでその恐ろしい笑顔をお仕舞いください。

「い、いや、ちょっとふざけてただけだもんなぁ!?」
「そ、そうそう、あ。もうこんな時間!」

足早に店を後にするそいつらを亮平は冷たい目で見つめる。そんなに大きな騒ぎにならなかったので、周りも気付いていなかった。






「ちょっ・・・」

突然のことに亮平にダイブしたまま固まっていた馨だが、突然掴まれたままだった腕を引かれて気付く。

「な、どこいくんだよ!・・・」






何も言わずそのまま控え室に馨を連れ戻す亮平。
扉を閉めると店の喧騒が遠くに聞こえるだけで静かな空間になってしまった。
亮平はまだ腕を掴んだままで離さない。







「あ、・・・・ありがとう・・・?」

ぶっ

「なんで疑問系なのさ〜」

振り返った亮平が笑っていたのでほっとする。

「だってなんか・・・怒ってんのかと思ったから・・・」

「怒ってるよ」

どことなく真剣さを含んだ顔で言われる




「え・・・・な、なんもしてねぇだろ!」

「なんもしないからだよ。も〜なんでもっと拒否しないわけ〜?それにかおるちゃん、何かされたら言ってってオレ言ったでしょ?」

「だって・・・騒ぎにでもなったら店が・・・・」

「・・・はぁ。かおるちゃんが優しいのは分かるけど、店なんてど〜でもいいんだよ。触られるのを我慢するようなもんじゃないんだってば」

呆れたように言われ悲しくなる。




「別にっ・・・あんなの触られたくらいで我慢もなんもねぇだ「オレがいやなんだよ」ろ・・・・」


「えっ・・・な、に」

「かおるちゃんが誰かに触られるのなんてオレが我慢できねぇ」

<*わんにゃん#>

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あきゅろす。
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