こねことおおかみ/完結
にゃんこと飼い主
お昼時になると、噂も相俟ってお客はさらに増えた。
凛と馨はもちろんのこと、普段は近づけない宗昭と亮平にオーダーをとってもらえるとなれば隠れファンもぞくぞくと訪れる。宗昭はあからさまに、亮平は笑顔の裏でいらいらを隠しながら、凛たちに変な虫がつかないように、まぁ更に言えば武下にぶら下げられたご褒美のためになんとか接客をこなしていた。
「はぁ〜い、お会計ですにゃん。お土産にクッキーはいかがですかぁ〜?」
「ん〜じゃぁキミの写真撮ってもいい?そしたらクッキー買ってあげる」
「・・・じゃぁクッキー5袋買ってくれる・・・?(モジモジ)」
「買う買うっ!!//」
「じゃぁいいにゃーん」
武下の指導が板についてきた凛。「相手の足元を見ろ作戦」である。
「あ、今度は2ショットで写ってくれる!?」
「うん、でも・・・・クッキー後5袋買ってくれる?(キラキラ)」
「買う買うっ!//」
凛、面白くなってきた。
「じゃぁ一緒に・・・」
そう言って男がチャンスとばかりに凛の肩に腕をまわs
「ひぃっ・・・!!」
カメラを持つ男のその先に最恐不良柚羅宗昭。が、今にも視線だけで人を殺せるんじゃないかという目でこっちを睨み付けていた。
男は思った。この手を下ろした瞬間に俺の命も消える・・・と。
カシャッ
「はーぃ、クッキー10袋お買い上げありがとうございましたー!また来てにゃん」
いえ、もう二度とあなたの前に現れることはできないでしょう。
男は中途半端に腕を上げたまま写真に写るという実に聡明な判断をし大量のクッキーだけを手に店を後にしたのだった。
「・・・・・凛。タケちゃんの思うつぼだぞ・・・」
クッキーを売りさばく凛を見てなんだか切ない目になってしまう馨
<*わんにゃん#>
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!