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こねことおおかみ/完結
奇跡のかおるちゃん


▽▽▽▽▽



「ようこそいらっしゃいました〜あっちの席が空いてるにゃん」

「「・・・・・///」」

文化祭初日。噂が噂を呼び「1−Cのお化け屋敷の先には秘密の花園があるらしい」となにやら危険な話に誘われた男たちがぞろぞろと押しかけていた。
もちろんのことこれも武下と棗田の策略である。


「ついてくれば?もてなしてあげなくもないんだから」


「「はいっ・・・//」」

馨は写真集のために羞恥心と言う言葉を脳内から抹消。








開店前、ケーキなどの運搬は裏方に任され凛たち接客は着替えをさせられた。憂鬱だった馨を更に突き落とす事実が発覚。

「なっ・・・この服最初と違うじゃないか!」

そう、メイド服はグレードアップしていた。
ニーハイは網っぽく模様が入っていてなにやらむっつりえろい雰囲気であるし、スカートが明らかにこの前より短い。

「約束と違うタケちゃん!」

「なにを言っているんだ。あれは最初の衣装合わせだぞ?変更するためにしたようなものだ。いいから大人しく着ろ。それともなにか?当日にボイコットでも・・・・・してみるか?」ニヤリ



これが馨が羞恥心とお別れを決意した瞬間だった。

実はこれも武下と棗田の『先に着せておいて当日まで油断を誘う』作戦である。あぁ恐ろしい。


無抵抗になった馨を武下がそれはそれは楽しそうにいじくったところ、黒髪直毛のまつ毛ばっちりネコ目メイクツンデレメイドかおるちゃん(初日バージョン)が完成した。






控え室から出てきた馨にわいわいと準備に取り組んでいた1−Cの教室は固まった。

え、なにこれドッキリ?うそうそこんな漫画みたいな話があっていいわけ?





まぁみんなの心境を一言で表現すると

『平凡は化ける』



「なに見てんだよ・・・」

ちょっとつり目の馨が低い位置からにらみ上げるともうたまったもんじゃなかった。
自前の染まった頬がさらにまずい。


「た、田原・・・・おれイケるかも」

「なにがだよ!!」

クラスメイトの怪しい発言にすかさずつっこむ馨。


だが本当に馨は美少女になっていた。





「かおるちゃん!!」

視線がいやで隠れようと控え室へ戻ろうとしたところでいきなり強く腕をつかまれる。

「なっ・・・なんだよ」


「かおるちゃん、可愛すぎるから。・・・何かされたら言うんだよ」

亮平はじっと馨の目を見てそう告げる。





「っ・・・・さ、されねぇよ!!」

亮平の腕を振り払って馨は逃げる。

なにかってなんだよ
されるわけねぇだろ俺なんかが




なんで




なんで


あんな


不良やっつけたときみたいな


真剣な


心配するような目で






俺を見るわけ

<*わんにゃん#>

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あきゅろす。
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