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こねことおおかみ/完結
前日


馨の嘆きをよそに、文化祭の準備は着々と進んだ。
最初の衣装合わせから武下は徐々にメイド服にオプションを増やし、ウィッグの髪色から巻き毛と直毛の両方用意して付け比べたり(結局1日目と2日目でお色直しとなった)して、もう馨は抵抗する気も失せて「どうにでもしてくれ・・・」とこぼした。この一言により本当に彼は当日どうにでもされてしまう。








「明日だねぇ馨ちゃん」

そう、もう文化祭は明日なのだ。今は調理室で凛と馨、そして「ね、一緒に行こ?」と可愛くおねだりされて断れなかった宗昭と当然のように付いて来た亮平もお手伝い中である。
ちなみに宗昭と亮平は意外と疲れる混ぜる作業をさせられたり誰でもできる洗い物をさせられている。


「あぁ〜もうやだやだ。凛はいいのか?あんなの着て男共ににゃんにゃん言うんだぜ?」

その言葉に宗昭と亮平はピクリと反応するが二人は気付かない。


「えぇ〜?でもみゃーこさんと話すときはぼくにゃんにゃん言うにゃーん」
とクッキーを型取りながら凛が答える。


いやいや、ネコと高校男児は違うでしょうよ。とは無駄なのでつっこまないで、さくさくできたてのクッキーをつまみ食いする馨。


そんな馨をよそに宗昭といちゃいちゃし始める凛。


「むーくんクリームできた?」

「あぁ、甘くねぇかも」

「んん〜?」

ぺろっ

「ううん、ちょうどいいよ〜ほら、舐めてみて?」

「・・・・」



おい!お前が味見にボールについたホイップクリームを指ですくって舐めたのはいいが!それを柚羅にまでするな!それも俺の目の前で!!


「ね?」

「・・・そうだな」




柚羅も舐めるな!!
なんなんだ・・・柚羅の目が危ないぞ。・・・こいつらここで生クリームプレイなんて始めないといいんだが・・・・



と明日が来るのがいやすぎて危ない思考に走りはじめた馨。


「かおるちゃ〜ん」

「っ・・・・・なに」


夏休み明けくらいからだろうか。
亮平に話しかけられるとなんとなく構えてしまう自覚がある。


「明日、楽しみだね〜」

「全然楽しみじゃねー」

ニコニコな亮平に変に胸騒ぐ。直視できない。



「ちょっとかおるちゃん、なんでこっち見ないのさ〜ね〜」

「あーうるさいさっさと片付けするぞー」


あっちょっと無視〜!?騒ぐ亮平から逃げるように離れ片付けをする。







亮平は休み前と変わらず馨にちょっかいを出してくる。
そのたびに当然容赦なくつっこむ馨だが、

亮平が時折見せる表情や笑顔がやけに優しく感じるのが耐えられなかった。


そのたびになんとかごまかしてその場を離れたりして亮平から逃げた。

それからどんどん顔を見れなくなっている気がする。













こんなんじゃだめだ。







普通にしないとだめなんだ。

<*わんにゃん#>

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あきゅろす。
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