こねことおおかみ/完結
真っ赤な理由
急いで席に着き椅子の上で膝を抱え身を丸める馨。
実は前から見た光景がとんでもないことになっているのだが気付いていない。
「・・・・・・」
絶対に一番にからかうと思っていた亮平がさっきから一言も発さずにじっと見ている。
観察されるくらいならつっこんで欲しい馨。
「・・・っなんだよ、笑えばいいだろ・・・!!」
すると自分が見つめていたことに気付き
はっとした亮平は
「可愛い、かおるちゃん」
と笑った。
バカにする様な笑い方じゃなくて
優しい笑顔で。
「っ・・・・あっそ」
それを見て
馨はそのまま顔を膝にうずめた。
また顔が熱い。
かつらで見えないだろうけど
耳まで熱い。
ちくしょう
いっそからかってくれたほうが笑って返せたのに
<*わんにゃん#>
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