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こねことおおかみ/完結
完璧な策略


実家の双子と涙の別れをしてから二日

馨は新学期早々、実家に帰りたくて仕方がなかった。



「なな、なんで!!絶対いやだぞそんなの!」

「何を言っているんだ何を。もう決まったことだ」

「はんっ!断固拒否する!!そんなの嫌に決まってるだろ!!」





夏休み明けの文化祭話し合い。休み中に随分と進んだ店のコンセプトから内装、メニューなどに驚いた馨。

その最中の出来事だった。


「それでだ。まぁメインともいえる癒しとイケメン共の衣装も準備完了だ。念のため衣装合わせする。田原、これを着ろ」

そういって馨には武下から紙袋が手渡される

「あぁ・・・ウェイターの服ね。わざわざ試着ってことはオーダーメイド・・・・






 ガサガサ






 
 てメイド違いじゃぁーーーー!!」


ぶぁさっ!!

そう叫ぶ馨が袋から取り出した瞬間に武下に投げつけたのはなんとも精巧なメイド服であった。




「新学期早々つっこみの切れが素晴らしいな。そんな田原こそこのメイド服を着るにふさわしい。コンセプトは『何しに来たの?さっさと座ればいいじゃない。ツンツン!べ、別に来てくれて嬉しいなんて思ってないし!・・・もう、帰っちゃう・・・の?デレデレ』のツンデレメイドかおるちゃん だ。おまえにピッタリだろ」


「コンセプトが長げぇ!!忘れちまったよ!」

「なんだ、ツンデレは否定しないんだな。いいからさっさと着ろ」

「いやだっつってんだろ!!」

「・・・・・・・」

「・・・っな、なんだよタケちゃん・・・」ビクビク

急に真剣顔の武下についつい引き気味の馨(脳内奴隷の余韻)

「はぁ。お前はみんながどれだけこの文化祭に力を入れてるか知らないのか。お前が双子にデレデレしてる間にな、夏休み返上で汗水垂らして準備をしていたんだぞ、なぁお前ら」


(((コクンコクン)))頷く1−C一同←武下・棗田による教育済

「うっ・・・」

「それをなんだ、たかが二日指定された服を着るだけのことをお前は拒否するのか。なんて奴だ、まさかそんなやつだったなんてなぁ・・・田原、おまえにはがっかりだぞ。本当につっこみだけの奴だったんだな・・・」


(((シクシク)))←これも教育済

「なっ・・・





  き、着ればいいんだろ着れば!!」←騙されやすい子馨


「それでこそ田原。さすがツンデレっこ。『き、着てあげないこともないんだかラッ!』と言えてたらパーフェクトだったな。当日までに練習しとけよ」


「それは断る!!ツンデレ語なんてしゃべれるわけねえだろ!!」


100歩譲ってメイド服を着てもそれは避けたい馨。
だがそんなことは武下には予想の範疇である。

「・・・田原、これがなんだか分かるか?」

「は!!そ、それは・・・っ!夏に100冊限定発売された写真家九十九昴の幻の写真集!しかもサイン入り!!」






「・・・・・・・ツンデレ語、やるな?」


「や、やってあげてもいいんだからねっ!!」



切り替えの早い馨。

にゃん#>

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あきゅろす。
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