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こねことおおかみ/完結
やっぱり不良


「っ凛、屈んで目を閉じて耳塞いでろ!!」


「ッ・・・」

宗昭の言葉に反応し馨をぎゅっと抱きしめて屈む凛





宗昭は気付いていた。
いや、宗昭でしか気付けなかったのかもしれない。

馨が怪我したと聞いた瞬間から亮平の纏う空気が一瞬で冷たくなった


他人に興味のない亮平があれだけ構っている馨
直接聞いてはいないがそれ相応の思いを抱いているというのは分かっている

が、今の亮平の空気は宗昭ですら危険を感じる程であった。

ばきっ!ごっどん!ぐしゃっ
ごすっ・・・ぼきっ


目を閉じさせて正解だった


こんなにキレた亮平は見たことがない。
不良共はとっくに全員地に伏せているが亮平は止まらない

「この手で殴ったのかてめぇ、あぁあ??潰すぞこら!」ぐしゃっ


「やべぇな・・・、亮平!その辺にしとけ!」

「うるせぇ!」ばきっ!



「ちっ・・・」

どうやって止めるか・・・




「ち・・・・ら」

「っ?」

「いち・・・ら、っぃちむらっ!」


状況に気付いた馨が必死に市村を止めようとしている




が、声が小さくて届かない













「っ・・・亮平!!馨が呼んでるぞ!!」







どさっ






「っ・・・か、かおる・・・かおるちゃん!!」




手に持って殴りつけていた不良を投げ飛ばして

ダッシュで駆け寄ってくる亮平




「かっかおるちゃん、大丈夫?痛いよね、ごめんね、ごめん、かおるちゃん・・・」



眉を垂らして馨を心配する亮平




もういつもの空気に戻っていた









おまえ、番犬みたいだぞ


一連を見届けた宗昭の感想

<*わんにゃん#>

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あきゅろす。
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