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こねことおおかみ/完結






首筋にちくちく
鼻先がぺろりと冷たいもので舐められる


「…んーっみゃぁこさん、くすぐったい…」

いつものように、愛猫に起こされて凛は目を覚ました。

にゃあと優しい鳴き声が顔の側を通る
凛はまだ覚醒しきれない頭で、くすぐったい都の攻撃から逃れようと自分を包む体温にすり寄った。

心地よさに再び眠りかけた凛だったが、そこでようやく違和感を感じる。
自分を包むのは温かさだけではない。
それは確かな意思を持って、ぎゅっとその身を拘束しているのだ。


恐る恐る目を開いた凛が最初に見つけたのは、色の違う二つの綺麗な瞳だった。


▽▽▽▽▽




珍しく熟睡していた宗昭も、腕の中にある温もりがもぞもぞと動いたことで意識が浮上していくのを感じた。


あまりに心地よい眠りの記憶から、まだ寝ていたいと本能が囁く。

腕の中の温もりが動かないよう、さらにきつく抱き込んだところで

ふと気づく。



温もりって何のだ。


そう思った時には、眠る前の記憶がどっと頭に流れ込み目を開く。

最初に飛び込んできたのは記憶に新しい、

大きな灰色がかった二つの瞳。




・・

起きて最初にそれぞれの瞳が相手のそれを捉えたのは偶然か、必然なのだろうか。


宗昭の上で眠ってしまった凛と、
その身を抱き込むようにしている宗昭。

お互いどうにも言い訳しにくい状態に二人は…

「…はよ」

「…おはよ」


とりあえず一番ありきたりな目覚めの挨拶を交わすに至った。


<*わんにゃん#>

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