こねことおおかみ/完結
おててつないで
凛たちの高校は少し高台で街へ下りるにはバスで40分ほどかかる。
素早く準備を終えた二人は凛の必殺ウルウル上目遣い(無自覚)により都を寮監マサルに預けて「え、マジかよ・・・(マサルはネコ好きではない)」
バスにごとごと揺られてから無事に街に降り立っていた。
「ふわわわっ!ぼく初めて来たよー」
「俺もだよ。けっこう人多いな〜やっぱ夏休みだからかなー」
親子連れから学生、街は人で溢れていた。
「見て見て馨ちゃん!クレープ屋さん見っけーー!」
「ちょっ!凛!!」
もうクレープしか目に入ってない凛は人混みをすり抜けてクレープ屋まで一直線。
必死に追いかけた馨がぜぇぜぇと着いたときには「ん〜どれにしようかな〜いちごちょこかな?」とメニューまで決めていた。
「凛、こんな人混みではぐれたらもう二度と会えないと思え(ペロペロ)」
「(モグモグ)ふゎぃ」
「一人で走るなよ。お手手繋いでお買い物するはめになるからな(パクパク)」
「(ゴックン)っほんと!?わぁーい馨ちゃんとお手手繋いでお買い物ー」
「・・・・・・・」
小腹を満たした二人
お手手繋いでお買い物中である
少し歩けばあれが食べたいこれが食べたいと
意識が持っていかれる凛を馨がぐいぐい引っ張って歩く。
途中寄った本屋では馨はいつも買っている美術誌を買い、凛はファンタジー小説を買っていた。「凛自体がファンタジーなんだが・・・」とも思った馨だが、本のチョイスが凛らしいな、とどんな小説なのか見せてらったところ、
なんとも分厚い小説は
完全なる英書だった。
あぁ、そういえばキミは学年主席でしたね、英語なんてさらさら読めちゃうわけなんですね。だからネコ語もしゃべれるんですか?
凛のギャップはでかすぎてつっこめない馨。
<*わんにゃん#>
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