ソウリモノガタリ
ページ:8

「芸能人、政治家、総理大臣、 教員、自衛隊、作家……年輩者にロマンチストに成り果てた者が居ることは、確実」

エチルは切り捨てるように言う。リセは表情に戸惑いを浮かべていた。


「……」

スキスキスキスキスキ――!
アナタダケ、トクベツヨ!
アイシテル!!ウフフフフ!!
甲高い声が博士の脳裏にフラッシュバックする。
あらたに芸能人、政治家、総理大臣、 教員、自衛隊、作家……彼らがビルの液晶やテレビ、広告、ポスター、雑誌から『あの声』を送りエリーと同じことを叫ぶ様の幻覚がまとわりついてくる。
この街は。支配されている。

「博士」

博士が黙ったまま俯いて居たのでアリンが気にかける。

「なーに、妻を思い出しただけだちょん」

博士ははっとして三人に笑いかけた。

「ロマンチストの執拗な洗脳で、おかしくなってしまったんだ。妻は最後まで抵抗した」


――あなたの気持ちなど要らない!!

「寄生体が厄介なのは、自分を拒否した、として激昂させと増して暴力的になることだ。
彼ら特有の発信器をもっておってな、妻を毎日追い回した。
彼女はロマンチスト擁護派に怯えておったが……そのロマンチストは、上司にも寄生していた」




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あきゅろす。
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