ソウリモノガタリ
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――スキスキスキスキスキスキ
博士の脳裏で、狂い行く人々が映し出され甲高い女の声が響いている。
――スキ、スキ、スキ、スキスキスキ!!
博士の妻は、かつてオータムクロッカス、エリーのあの声で自我が狂い亡くなっていった。
「ぐ……」
頭を抑える博士の手には、先ほど『解析』に使っていた試験管が握られている。
――アナタダケアナタダケアナタダケ!
――アイシテル!
――アイシテル!
――ウフフフフフフフー!!
海を渡ってどこかから来たのかはたまた宇宙から潜んでいたのか。現在もそれは謎のままだった。
――とある晴れた日。
雲ひとつない真っ青な空の日だ。
突然「ロマンチスト」と呼ばれるこの気味の悪いこの声が、
あちこちに振り撒かれ人々を洗脳した。
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