ソウリモノガタリ
ページ:1
ラボの中。
「ロマンチストだ……」
博士は神妙な顔で呟いていた。
「やはり、やつが、再来しておるとしか、思えん」
かつて悪質な「恋病」をばらまき、世界を恐怖の渦に陥れた、寄生体のなかでもボスクラスの存在。それが、ロマンチスト。
「しかし――やつは、かつて葬られたはず」
事務机に置かれた古い見た目のパソコン内のデータベースからファイルを開く。
「寄生体 オータムクロッカス:
通称は『 エリー』
」
恋とは、寄生体ロマンチストが自我を破壊していく恐ろしい病気のことだが、その中でも際立ってエリーは悪質だった。
2019年3月6日0:01
[次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!