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「今日渡せるけど。どうする?」

しかし教室では渡さない。ツルナはこそっと小さく囁いた。
それには理由がある。
ロマイシンはクローンの人物のバンドだから。
純血至上主義のクラスメイトも居るので一応気を遣っているのだ。

「ありがとう、ツルナ。昼休みに、ここを抜けて渡してくれないかな」
「うん。わかった」

 校内放送がなったのは、そんな朝のいつも通りの流れの中だった。

「さきほど校則に違反した生徒が二名、殺害されたのが発見されました。純血生徒の皆さんは、教室から出るときは必ず誰かと行動してください。
結界が緩んでいる箇所を見つけたときは、騒がず、すぐに職員に連絡してください」

穏やかではない放送に、メイルたちは、戸惑いながらもしかし冷静だった。なぜなら、常にその心構えを聞かされているから。


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