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「自分自身から逃げるために、血やらなんやらを持ち出したって、変わらないもんは変わらないよ」

と、いつだったか言った姉貴のことを、うぜえ!で弾いた若かりし日から、カーユは何も変わらない。

「でも、みんな、変わらないもんにどうにか折り合いをつけようとしてる。それが、努力だったり、見る角度を変えたら才能だったりとする。
卑屈になるのが一番なにも出来ない」

あの声が、カーユを否定するみたいだった。
好きで卑屈になってない。
自分をガードするために卑屈になってるんだよっ!
かわいそうな目で見るなっ。

可哀想なら助けろ。

俺に力を授けろ!

「クラスのみんなは、特別な力なんかなくたって、折り合いを――――」

ああ!
うぜえ、うぜえ、あああうぜえ……

自分が息切れしてる気がしてきた。


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