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 その叫び声で目が覚めた。
入学してから浅い眠りで、何度も起こされている。
どうやって眠っていたのかさえ、わからない。
今まで眠っていた自分は、どんなリズムで呼吸をして居たのだろう。

「信じらんないよ、見えもしない感情も、この身体も」

叫びたくなって、またすぐに眠くなる。
ああ眠れると身を任せたら、また起きてしまう。その繰り返しだ。
いっそのこと、眠れるなら寝たいし、起きれるなら起きたいのに……

フィルは、ぼんやりした足取りで近くにある冷蔵庫へと向かった。

なにかを食べたかった。そこから適当に取り出してきたチーズを食べる。
美味しいのか、そうじゃないのかはよくわからないが、とりあえず空腹は紛れる気がした。

彼女は、
甘いとか、辛い、とか苦い、とか。
わかっているけれど、どう言葉で表すかわからないときがあった。

食事への感想は、大抵が『美味しい』で事足りたせいだし、常日頃そのくらいしか言わない子どもだったため、感受性が独特になっていた。






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