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「そう……ところで、お前」

お、お前!?
ラコに向かって!
と言いたかったが、それは謎の人物の言葉により遮られた。

髪が黒く長い。
秋刀魚のように細長いヘアピンを前髪につけていた。
なんかのブランドだろうか?

「さっきの走り方も、言葉遣いもなってないわ! せっかくの可愛い女の子なんだから! ね?」
「なに、あんた!」

「一人になっちゃだめって校則、知ってるでしょ、アタシも人とはぐれちゃったから、一緒にいきません?」

「勝手にすれば!」

ラコのせいいっぱいのツンデレ。タロウやカーユも宛にならない今、この人物と居るしかないという気がした。

「しっかし、背高いわね……髪切ったらイケメンたちに混ざれるわよ」

冗談のつもりで彼女は言った。しかしその人物は……

「アタシの好きな人、男だから……」

とぽっと頬を染めた。

「少しでも見てもらいたくて、女みたいな格好することにしたの」
「えっ」



「アタシ、デンシン。よろしくねミュンヒハウゼン」

低い声でぼそっと挨拶し、ばちっ、とウインク。
そして、スカートをひらりと翻し――――

「ギャアアアアアアアアア」


こうしてラコ・エアリアリティミュンヒハウゼンは。
新たな仲間をGETした。



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