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ラコは、ぷりぷりしながらずんずん!と足音を立てて歩いていた。
実質オンリーで、CS計画を進めるのは無謀だとさすがの彼女にもわかっていた。
タロウが早くみんなの居る場所に戻るよう促したが彼女は一度立てた予定に対して簡単には引き下がれなかった。
「もぉおおおおお!!!」
牛が鳴いたわけではない。
誰か、誰か仲間を。
そう思うがこのお嬢様、びっくりするくらい人付き合いが苦手だった。
「あー! あー! チョーーーーッむかつく!」
校則違反で二名が亡くなったかなにかと聞いたが、蝶よ蝶なのよ、と育てられた彼女にとって校則などあってないようなものだ。
しばらくもと来た道へ進むうちに、ふと周りの気配が消えたことを感じて、彼女はやっと気がつく。
タロウがいない?
「あれ、た、タロウ? タロウ、返事なさいっ! タロウ!」
慌てている彼女の背後から、声。
「――焼きまひまひ、食べる?」
「え……」
振り向くと、こんがりと焼いたマヒマヒを手に持った低い声の少女がラコを見つめていた。
「ま、マヒマヒは、あまり好きでないの。私は北国のお嬢様だもん!」4/24 16:33
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