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「世間からはずされてる人間は、プレッシャーもなんもなくて、辛くないよなぁ……」

カーユはよく、そう思う。しがらみやらなんやらうっとうしいものがない世界。

純血の、花、たちはいわば負け組なのだ。
ツルナルールを連れて来るために、彼は自分の居るクラスと反対側にあるクラス棟を目指す。

共学ではあるものの、こうして棟が分けられているのは、男女で体育の授業が違うような感覚だ。
授業でやったことがあるが、彼が生まれるより前、
見た目の美醜の違いや職種での格差がうまれたため、醜いとして隔離された人たちの町があちこちに生まれたそうだ。

けれど、それでもある意味気楽なもんではないかと彼は思っている。

そういった一般の感覚はまだ根強く、彼もまた例には漏れなかった。

「ああいう人も保護費とかなんとか貰ってんだろうし……どっちもどっちじゃね?」


ただ純血はクローンたちと同一で、同じ生命であり優劣はないとして、特に制限されることはないために、また細部が違うのだが、彼にはなんにしたってにたようなもんだった。

可哀想だと主張し、儲ける。安い商売だ。
結局優遇されている。


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あきゅろす。
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