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「あのこどうかしたの?」
あどけない表情の残る、可愛らしい子だった。
「家族が随分前に、両方亡くなったらしいよ。純血狩りで」
「そうなんだ」
「そうなんだー、って、軽いな」
「だって、どうしようも、ないじゃない」
本人以上に悲しむのは、なんの得にもならない。
前向きに考えたかったのに、周りが引きずってしまうこともあるし……
下手に反応すべきじゃない気がする。
わたしだって、昔事故に巻き込まれたとき、おしかけたひとたちに迷惑した。
「夜中まで働いてるから、学校では寝てるんだってさ」
「大丈夫かな、先生に怒られたり」
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