ページ:8

「あのこどうかしたの?」

あどけない表情の残る、可愛らしい子だった。

「家族が随分前に、両方亡くなったらしいよ。純血狩りで」

「そうなんだ」

「そうなんだー、って、軽いな」

「だって、どうしようも、ないじゃない」

本人以上に悲しむのは、なんの得にもならない。

前向きに考えたかったのに、周りが引きずってしまうこともあるし……

下手に反応すべきじゃない気がする。
わたしだって、昔事故に巻き込まれたとき、おしかけたひとたちに迷惑した。

「夜中まで働いてるから、学校では寝てるんだってさ」

「大丈夫かな、先生に怒られたり」




[*前へ][次へ#]

8/35ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!