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要は散々だ。
ネットからつきまといに発展するおっさんまでいるせいで、
フィルは『たぶらかす』『遊んでる』『男好き』とまで言われている。
実際は、誤解でできた根も葉もない噂だ。
「私だって、おっさんばかりと絡みたくないのよっ! ツルナがあと三人くらいいればいいのにっ」
ぐすっ、と鼻をすするフィルに、ツルナルールはいつものへにゃんとした笑顔で言ってるのだろう言葉で慰める。
「あ、諦めるには早いよ〜。おっさんじゃない人だって、お友だちになってくれるはずだから。私みたいに」
「……そう、かな」
おっさんが悪いわけじゃなくとも。
自信は、無くす。
フィルがパソコンの電源を落とすと同時に、部屋のドアがノックされた。
「あ、はい。ちょっとまってて〜」
携帯通話を保留にして、彼女はそちらに向かった。
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