びたえあ
2.へんなやつ
そいつが、潤んだ目でボクを見るからまたイライラした。
この手のやつが助けてくれた、だとか優しさがこの世にあるだとか中途半端に知らない方がいい。クズになって、また誰かの優しさを期待して、泣くだけのゴミになっていくことがあるから。
うまくそれを伝えきれない。
ただただ、イライラする。
見たくないモノを、見てるみたいだ。
「ボクさ、嫌いなやつに監視されて生きなくちゃならなくなってて、今、取り繕いながら笑うことがとても出来ないんだよね。顔がひきつっちゃって」
「ふぇ、な、なんで」
「わかんない。誰かがヘマをしたせいなのかな? 」
そいつらが、あいつを関わらせるから、ボクは一ミリも憎悪を消さないのだ。
「多少荒れても、そいつらがあいつを監視にするせいなんだから。
ボクの性格だけの問題じゃない。
四六時中見られてて、自由なんかあるかっつーの。自分のしたこともわからないやつに管理される身でストレスがたまってるのさ」
「大変なんだね……よくわからないけど」
ぺらぺらと適当に並べるボクに、そいつは複雑そうな目をして言った。
「でも、監視って?」
「しーらない。親戚かなんかのせいじゃないかな、昔から居るんだ」
遠くから聞きなれたエンジンの音がして、でかい、この国の道路には邪魔になりそうなサイズの外車がやってきた。
チッ、と舌打ちする。
「ほら、送るから乗りなよ、住所は」
そちらに引きずりながら言うと、そいつは、無いと言った。
な、無い……?
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