びたえあ
2 へんなやつ

あーっ、あーっあーっ!
集団のキモチワルイ嘆きの声が後ろから聞こえる。
不愉快だが、愉快だった。
バカがつるむことも、バカが威張ることも、バカみたいだ。
素晴らしい気分で、道を歩く。
 途中のコンビニの明かりさえもが、なんだか癪だったけれど空腹でもあったから、
そちらに向かって、少しだけ食べ物を買って外へ出た。


時刻は23時くらいだ。

「あ、あの、助けてくれて、あの……」

後ろの弱いのが必死に礼を言ってた。
ボクには雑音にしか聞こえない。

「なーに。 何か?」

「あの、ありがと!」

目が隠れそうな前髪とか、ボサボサな後ろ髪とか、なんかいろいろ。
除いて、その隙間から見える小さな顔は、案外愛らしい。
が、腹は立つ。

「なに、あんなんと遊んでるんだよ」

「君は、怖くないの?」

案外通る声が聞いてくる。

「怖いものってさ、つい丸めた紙とかで、バシバシやっちゃうんだよね。見たくないから」

[*前へ][次へ#]

5/289ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!